外観改装に関して、オーナー側の希望は、とにかく目立つようにしたいとのこと。 現場を確認したところ、シンプルすぎて、インパクトに乏しい店舗外観の上、街路樹に遮られるという悪条件も重なり、車道からは、認識されにくい状況となっていました。

そこで、「通りを行き交う人が、思わず足を止める。また、車道から店を見た人が 何の店だろう？と気にかけるようなインパクトのあるファサード」というのが 基本コンセプトとなりました。

正直いって、照明器具を使用して、派手なライトアップすれば、とりあえず 目立たせることは可能です。 しかし、木（モク）中心の温かな雰囲気の店内をもつ「大黒屋　前島店」のよさを 伝えられるようなファサードにしたかったので、その方法は取らないことにしました。
その代わり、コンセプト実現のためのマテリアルとして選んだのが、沖縄県産の素材です。 いくつかピックアップしたの中から、最終的に琉球松に決めました。

琉球松と泡盛の甕を組み合わせたディスプレイ、そして、同じく琉球松の一枚板でつくった入口扉。それらを下から照らしだことで、一見、異次元チックなシーンを演出。 単に派手というだけでない、インパクトのあるファサードが できたのではないかと思います。

※この物件は、雑誌『商店建築』12月号の中のファサードデザイン特集で紹介されました。（東京、大阪の店舗がほとんどの中、唯一、沖縄の店舗でした。）